「では三蔵、悟空。お留守番お願いしますね。」
「静かにして待ってろよ~サル。」
「留守番くらい出来るやい!!2人とも、いってら~。」
三蔵一行は、久々に宿泊を手に入れ、八戒と悟浄は買い出しに出掛けた。
少しして、悟空は窓から外を眺めていたら、近くに桜の木があるのを見つけた。
「綺麗だなぁ……。」
悟空は桜を見る度に心がきゅーっとなることを感じていた。
そんなときはいつも、何でこんな気持ちになるのだろう…と悟空は不思議に感じていたのだった。
「桜がそんなに好きか、サル。」
「う~ん、好き、なんだけど、きゅーっとなるんだ…。」
「人語しゃべれ、サル。」
「うぅ~っ。感じたことをそのまま言ったのに…。」
そう言いつつも、悟空の目線は桜に向かっていた。
「お前はいいよなぁ~。こうやっていつでもたくさん見てもらえて。…俺も三蔵にもっと見ていて欲しいんだけどなぁ…。」
実は三蔵と悟空は恋人同士なのだが、それらしいことは全くない。
最初は三蔵が恥ずかしがりなだけかと思っていた悟空だが、月日が経つにつれて、不安になってきたのだ。…三蔵は本当に自分のことが好きなのか、と。
「桜になりたいなぁ~。」
ぽつりと悟空は桜に向かって呟いた。
「それはやめとけ。」
するといきなり三蔵が悟空に話しかけてきた。
「ふぇっ?!さ、三蔵聞いてたの??」
「さっきからボソボソ呟いていたのは全部聞いていた。」
それを聞いた悟空は、恥ずかしくなり、顔を真っ赤にした。
「そ、そう///…てかなんで桜になっちゃダメなの??」
「…桜はいつか散ってなくなる…。…風にのって何処か遠くへいく。…お前はそんなふうにして俺の傍から離れたいのか…??」
「…は、離れたくない///」
「なら桜になるなよ。それと、俺は…悟空、お前をいつも見ているから安心しろ。」
ついでだったが、三蔵は悟空を見ていたことを告げた。
悟空はそれを知ることが出来、嬉しい気持ちでいっぱいになった。
「へへっ…//うん、わかった!!//」
散りゆくは美し
されど残り留まるのも
美しきことかな
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