その後、エルリック兄弟や、他国の者など、様々な情報網を駆使し、「約束の日」に向け、「真の自由」のための最後の戦いの準備をした。
私の真の部下たちとも合流をし、中央を駆けめぐり、作戦を実行していったが、流石に味方がわずかなこの状況で、中央軍と戦うのは、いささか無理があった。
そう、武器が足りなくなってきていたのだ。
そんなとき助け舟がきた。
ロス少尉がトラックいっぱいに武器をつめこんで現れたのだ。
少し状況が落ち着き、ロス少尉と武器の仕入れ先について話すことが出来た。
「この武器はどこから??」
「話しますか。」
ヒュリー軍曹の準備した無線を使い、御礼を言うべく受話器を受け取ると、そこから聞こえてきたのは、思いもよらない人物の声だった。
「パンツのゴムひとつから装甲車まで、電話ひとつでお届け!!あなたの街のハボック雑貨店。」
「ハボックか!!」
「あらま大佐~毎度っす!!どうでした、俺の『プレゼント』は。」
「あぁ、助かったよ。」
「へへっ…♪……あのね、大佐。俺、あんなひどいこともしたから、大佐が今俺のことどう思っているか知らないけど、やっぱりあんたのこと好きなんだ。だからあんたを俺が幸せにしたい。ヒューズ中佐の約束だからとか、そういうんじゃなくて、今できる力でもいいから、精一杯あんたのために正攻法から支えて、幸せにしたい。…そんでもって、いつかあんたが許してくれる時がくるなら。あんたの隣に立ちたい。…俺、ちょー頑張るからさ!!」
これが本当のあいつの気持ちか。
…ハボックは、ようやく私に本当の気持ちを素直に話してくれるようになったんだな…。
そう思い、涙ぐみそうになったが、今は泣いている場合ではない。
…あとでじっくり返事をしてやる。
「…そんで大佐、お支払いは??」
「出世払いだ、ツケとけ!!あとできちんと現地払いをしてやる。」
******
カランカラン……
「はいいらっしゃい~。ごゆっくり…って、大佐ぁ~。お久しぶりっす!!イシュバールの方はどうですか??」
「あぁ、まだ課題はたくさんだ。…さてハボック。支払いをしに来たぞ。」
「あらま。准将になると、あんだけの額でもお支払いがすぐ出来るとはねぇ…大佐も偉くなったもんだ。」
「もう『大佐』と呼ぶのはやめたまえ…。さてハボック。支払いはこれだ。」
そういって私が差し出したのは、賢者の石の液体が入った瓶だ。
「これ…は。」
「賢者の石だ。…実は私も先の戦いで目をやられてな…。これに少し世話になった。」
「大佐が目を??!!!」
「それで、これは余りだ。…お前の足の治療に使えるだろう。使いたくなければ、家宝として取っておいてくれても構わない。…そしてその間の利子についてだが。」
「…てか利子なんて請求は……。」
ここからが緊張だ。果たしてこいつは利子を受け取ってくれるのだろうか。
「利子は……私だ。お前の好きなように扱え。」
「…へ??」
ハボックは一気に間抜け面が酷くなった。
「私をくれてやると言ったんだ。…お前が私を好きなように扱っていいんだ!!」
「…ほ、ほんとうに??」
「男に二言はない!!」
さてどうでる、ハボック。
「へぇ…。じゃあまずは…『キスしていい』??」
今度は私が驚く番だった。
あの初めてキスをされたときと同じ言葉だったのだ。
「…あぁ、いいよ。お前が望むなら。」
「俺が望むのは、あんただけ。あんた以外、何もいらないから。」
「…私もだよ、ハボック。私も望みはただ一つ。-------ジャン・ハボックという存在だけだよ。」
もし私が
もし俺が
たったひとつだけ大事なものを護るのなら………
「お前だ」と
「あんたです」って
言ってやりたいんだ………
only I wish ……“YOU”.
the END.....
[1回]
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