ところ代わりT大法学部図書館の自習ルーム。
そこにはしかめ面をしている茶髪の男子と、その隣でニコニコしている男子がいた。
「だから…俺恋人いるから。てかお前男だろ…??」
そう、しかめ面の男子-----忍は、隣の男から突然告白され、困っていた。
「性別が気になるなら外国でも留学しよう、忍♪忍って、高校あっちなんだろ??」
忍に積極的にアタックしている男子は、忍と同い年の「桂木」。
彼はいきなり忍の席の近くにきて、告白していたのだった。
「じゃあ忍の恋人に会わせてよ。そいつが忍のことを大事にしているって思ったら諦めるからさ。…んでどんな人??タメ??年上??…もしかして年下?!」
マシンガンの如く話を進める桂木に、忍はうんざりしていた。
「お前にあわせる義理はねぇし。授業あるからもう行く。俺に付きまとうなよ。」
「…恋人がちょー年上だし、そいつに迷惑かけたくないから??…それって、恋人同士として対等にされてなくない??」
その場を離れようとした忍に、はまるで宮城の存在を知っているような口振りで鋭いことを言ってきた。
流石に聞き捨てならず、忍は足を止めた。
「俺は一言も『恋人は年上』…なんて言ってねぇ…。」
でも桂木の言っていることは間違いではなかった。
確かに宮城には文学でもかなりの地位を確立している教鞭者。
対して忍はただの学生。特に失うものもない。
そうなれば、宮城の愛する芭蕉の研究のためにも、彼の立場を崩さないようにするのは当然のこと。
でも宮城は忍にそのような行動はとらなくて良いのだ。
(でも、俺は芭蕉のことを大事にしている宮城も好きだ-----)
そう自分に言い聞かせ、歩みを止めた足を再び動かした。
しかし、何ともいえない不安が残ったままだった--------。
to be continued....
[2回]
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