俺と八戒が、ご先祖様の記憶を全て取り返して数週間が経った。
俺たちは変わらず三蔵や悟浄と共に生活をしている。
…でも、大きな決断は迫っていたんだ。
「三蔵、これはこんな感じで良いか??」
「あぁ、それでいい。」
「はっかーい、ゴミ捨て終わったぞー。」
「有難うございます。…さて、皆さん、ランチタイムにしますか。」
三蔵が数日前、ご先祖様たちが行っていた封印の儀式をそろそろやりに行かなくてはならないことを俺たちに伝えてきた。
つまりはその儀式のために数週間、家を空けることになるというわけで、俺たちはその準備で片づけをしていた。
儀式のことは、俺が三蔵に初めて会ったときに聞いていたから、いつかは来るんだろうな…とは思っていたけど、俺は少し不安があった。
三蔵は、『お前のことが好きだ』って言ってくれているけど、実際本当なのだろうか。
…もしかしたら、過去の記憶もあるからそう感じているだけで、この封印の儀式が終わったら、俺…また捨てられちゃうんじゃないかなって。
そう思ったら、やっぱりどうしても、不安だった。
でもそのことを八戒に相談したら、八戒も、『僕も悟空と同じ不安な気持ちですよ』って言っていた。
「僕も悟浄は…この件が終わったら、どこかへふらっと行ってしまいそうな気がして…不安なんです。それに---------」
そう、八戒と俺が新たに受け取った記憶の中には、とてつもなくツライ過去があったから、余計不安に思ってしまっていたんだ----------。
[0回]
PR
COMMENT