そんなこんなな日々が1週間続いた。
俺は助教授のアタックは眼中になかったから、毎回適度にやり過ごし、いつもと変わらない忍との日々を過ごしていた。
彼女も流石に諦めたのか、普通の人に戻っていた。
そりゃそうだ。
どうしてこんなおっさんを好きになるんだ。
そんなやつは忍だけで充分だ。
そうやって油断していた俺に、最後の爆撃はやってきたのだった。
「宮城教授、上條助教授、本日で私もここでの研修が最後になりますし、お二人とお酒でもと思っているのですが…ご都合よろしいでしょうか。」
「少しだけなら大丈夫です。教授は??」
「俺が来なきゃ話にならんだろ。大丈夫ですよ。」
「良かったです。そしたら落ち着いたお店を見つけたのでそこで。」
こうして俺たちは、彼女のお勧めの店で晩酌をすることになった。
忍にメールで連絡をすると、『わかった。俺も友達と食事してくる』とそっけない返事が返ってきた。
飲み始めて数時間後。
上條は同居人の彼氏に呼び出されたらしく、予告通り早めに切り上げて帰っていった。
だが桂木助教授はお構いなしに飲み続け、俺も合わせるように飲んだので、少し酔ってしまった。
明日の仕事に響かないよう、少し歩いて酔い覚ましをして帰りたいと思ったが、桂木助教授が完全に潰れてしまったので、まずは彼女をタクシーで自宅まで送ることになった。
何とか自宅の入口まで助教授を運び、呼びかけたが返事がない。
仕方がないな…と、俺は彼女のカバンから鍵を探そうとした。
そのとき。
「みや…ぎ??」
忍が男と一緒に立っていた。
[3回]
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