やはり年々追うごとに三蔵の法力が落ちてきているせいか、なかなかベースの封印式が完成しなかった。
数十分後、ようやく完成し、力を振り絞って魔界天浄で辺りの妖怪を一掃した。
この時点で俺は法力を使いすぎて、地面に膝をついた。
「三蔵!!」
「平気、だ。時間がない。悟空、血を、飲め。」
俺と悟浄は腕を素早く軽く切って、互いに悟空と八戒に飲ませた。すると、妖怪の血と反発しているのか、二人の妖力が一気に跳ね上がった。
「悟浄!!このまま封印に入る。口づけを解くなよ…!!」
「お前も、な、三蔵!!」
互いに軽く対話し、封印を発動させ、後ろを振り返ると、そこには妖力制御装置の外れた悟空と八戒が立っていた。
「おいおいまじかよ…お二人さん、意識飛んでるぜ…。」
「やるしかないだろ。」
「三蔵、お前法力使い過ぎでヤバくね…??」
「そんなことはどうでも良い。あいつは俺を『信じる』と言ったんだ。…今まで誰にも守られず、一人で生きてきたあいつが、初めて信じると、俺に言ったんだ。だから俺はやり遂げる。必ず、だ!!…俺たちの帰る場所は、あの『場所』…だ!!」
「あいよっと!!」
そして、俺達は意識のない二匹をこの世界に留めるため、飛びかかってきた二人を抱き留め、口づけをした。
「…今度は寂しい思いはさせねぇ。待ってろ、悟空。」
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