「三蔵さぁー、髪きれーなんだから、伸ばしてみたら??」
三蔵が執務中なある日の午後。
急に悟空は先程の台詞を言った。
「今時ロン毛はクソ河童だけでじゅうぶんだろ。」
「そう言われれば…って思うけどさ~。…なんか、俺昔に三蔵をロン毛にした感じの人と一緒にいた気がするんだ…思い出せないけど。三蔵のロン毛で何か思い出せるかもしれないからさ!!お願い…。」
そう言い、俯く悟空の方へ三蔵は視線を向けた。
そしてぽつりと呟いた。
「…そいつの方が俺より大事だったんだろうな。」
三蔵は寂しそうに呟いた。
それを聞いた悟空は、はっと顔を上げた。
「ごめん!!そ、そういうつもりで言ったわけじゃないんだ。…その、その思い出せない人も大事だったんだろうけど、『今』は三蔵が一番だよ。三蔵は俺にいっぱいくれたから-----。今度は俺が返す番だもんな!!」
「もうたくさんお前から貰ってるよ------。」
「えっ…!!」
「だからお前はただ傍にいれば良い。…ロン毛は考えておく。」
「う、うん!!ありがと、三蔵!!」
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