「はーい。今日は嵐の月16日でーす。クラサメ君は今日も素敵で輝いていまーす。愛してるよvクラサメ君♪」
『こら、そんなことを撮らなくてもいいだろ。』
「大事だよ!!クラサメ君への愛はきちんと記録しないと。」
『…はぁ。…それよりカヅサ。メッセージ、残すのだろう。』
「そうだったね。
…未来の僕、これを見ている…ということは、クラサメ君に何かがあったとき、というわけなんだけど。
忘れていても、人の記憶は至る所に残っているんだ。
…クラサメ君の記憶も然り。
だから未来の僕、お願いだからクラサメ君を…クラサメ・スサヤを失わないで。記憶を消しきらないで。
…よし。そうしたら手始めにこのCOMMを使ってクラサメ君の記憶を取り戻してみてね。
それじゃ。
…クラサメ君ー終わったよー。」
これでファイルが終わりかと思いきや、少しして場面が変わった。
『カヅサ。手紙は読んでくれただろうか。俺の最期の願い、聞き入れてくれると嬉しい。
…いつもお前からは与えられてばかりだったな。だから、有りっ丈の言葉を最後に伝えたい。
…いつも愛してくれてありがとう。
こんな罪深き男と共に在りたいと願ってくれて、ありがとう。
俺はお前の溢れんばかりの言葉を抱いて逝けることをとても幸せに思う。
…またどこかで、な。』
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全てを見終えたカヅサは、ウロウロしながら状況整理を頭の中でし始めた。
この間受け取った目玉の標本からは氷剣の死神も含め、エミナと自分の写っている写真を見た。
そして、その写真の彼から、手紙とCOMMが届いた。
彼からは『愛している』との言葉が送られ、動画の自分も彼を愛していると言っていた。
そこまで整理して、漸くカヅサは、ここ最近感じていた虚無感の結論に至った。
(ここ最近感じていたこの虚無感は…君のせいだったんだね、クラサメ…君。…大丈夫。…クラサメ君は、何に変えてでも取り戻さなきゃならないから…取り戻してみせるよ。)
こうして、カヅサはいつもの覇気を取り戻した。
「まずは君のCOMMから…だね、クラサメ君。あと、君のノーウィングタグもないかなぁ…。記憶がかなり残ってそうだし。…諜報部に頼んでみようかなぁ~。」
(…「過去」の僕と君からの贈り物、しかと受け取ったよ。ありがとう。)
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