俺の名は玄奘三蔵。
とある商社にてマネージャー職に就いている。
そんな俺が、週末決まって訪れている場所がある。
そこは、幼い頃俺が育った---------慶雲施設園。
「三蔵~!!」
最近この園にやってきたらしいこの猿------否、少年の名は「孫悟空」。
愛想が良いわけではない俺に何故かやつは懐いてきた。
「三蔵くん、いらっしゃい。コーヒーでも飲む??外暑かったでしょう。」
「はい、いただきます。」
園長は、いつも俺が来訪すると決まって出迎えてくれる。
そして、園長とのやりとりが終わると、すぐ悟空が寄ってくる。
「なぁ三蔵、今日は園に泊まっていくのか??」
「あぁ。クソ河童が代わりに出社しているからな。」
「ごじょーさんかぁ~。ごじょーさんとはっかいさんに会ってみたいなぁ…。」
悟空にはよくあいつ等の話をしてやる。
悟空もその話を楽しく聞いているものだから、俺はついつい話しすぎてしまうこともあるのだが。
今日も今日とて、あいつらの話をしてやった。
そうして時間が少しすぎたら、俺は園に来ている目的------墓参りの支度をする。それにも悟空はついて来る。
墓の主は、俺の初恋の人------光明さんである。
俺は彼から色々なことを学んだこともあり、彼のことを、「師匠」と呼んでいた。
「師匠、ただいま。」
静かに花を供え、供養をする。
その間、あれだけうるさかった悟空はいつも静かにしている。
簡単に近況を師匠に話し、立ち上がろうとしたら、悟空がいきなり俺の腕を掴み、立ち上がらせた。
「おいクソ猿…「光明さん!!あんたにお願いがある!!」…??さ、る??」
悟空は師匠の墓を睨むようにして見ていた。
いきなりこいつは何をやろうとしているのだろうか。
しかも師匠の墓の前で。
「三蔵を…三蔵の心を、俺にっ!!ください!!!!」
そう言って、悟空は俺のネクタイを力一杯に引っ張り、俺の唇へ強引に口づけた。
to be continued...
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