一方、はぼっくはどうしているのかと言いますと…。
「ぶれだ、ぐらまんの容態はどうだった。」
「はぼの妖力のお陰で意識は戻ったみたいだが、まだまだ安定はしてないって。」
はぼっくは、大妖怪となった今でも、ぶれだ以外、傍にいる妖怪はいませんでした。
「ろいはどうしてる。」
「旦那か…。式神使って、例の噂について調べているみてぇだ。」
「そうか。」
ぶれだは、はぼっくの反応の薄さに眉をひそめました。
ぶれだは、はぼっくがぐらまんとの一件以来、
感情を表に出さなくなったことを心配していました。
ろいといた頃の表情が本当に柔らかかったので、
今の状況に対して余計に心配だったのです。
「流石に今回の件は旦那と協力した方が良いんじゃないのか、はぼ。」
「いや、大事ない。
あいつとの闘いは3日後だからな。あいつらを気にしてはいられない。」
はぼっくと話し終えたぶれだは、やるせない気持ちで街を歩いていました。
幼い頃から共に育ったぶれだは、はぼっくがとても孤独の中育ったのを知っていました。
そして彼が誰よりも孤独が苦手なのも。
だからこそ、ぶれだはなるだけはぼっくの傍にいました。
しかし数年前、漸く自分以上に、
はぼっくに温かい居場所を与えられる存在------人間だけれども----が現れ、
ぶれだはとても嬉しく思っていました。
そんなことを考えながら、ぶれだはしょんぼりして京都の大路地を歩いていると、
ろいの式神兄弟の片割れ、あるに出会いました。
「あ、ぶれださん見つけた!!お久しぶりです、ぶれださん。」
「おう、ある。こんなとこで会うとはな。お遣いか??」
「はい。…ぶれださんを探すお遣いです。」
そこでぶれだは気付きました。
多分ろいは本当の全貌について、粗方予想がついているのだろうと。
そうとなれば、ぶれだが出来ることはそうたくさんもありません。
「わかった、ある。とりあえず場所を変えよう。
そのあとで、増田の旦那が欲しい情報を伝えるよ。」
to be continued....
[2回]
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