いつものように、宮城に散々ヤラれて、俺はぐったりだった。
もうこのまま寝てしまおうか…と意識を手放そうとしたそのとき。
「くっ…!!」
宮城がいきなり苦しそうにうめき始めた。
そして次の瞬間には、俺の知らない宮城が隣にいた。
「お、お前誰だ!!」
そこにいたのは、泣きはらした顔をした、若い宮城だった。
「み、宮城…だよな。」
「何故俺の名前を知っている。俺はあんたなんか知らないぞ。それにあんたなんで裸なんだよ…風呂上がりか??」
「あ、あぁ…うん。」
いつもの大人の余裕は微塵も感じられない宮城に、俺はだいぶ戸惑ったが、宮城に現状を説明するうちに、少し打ち解けた。
「で、高槻くん、は何で俺の家にいるんだ。」
「忍でいい。…宮城が俺に文学を教えてくれることになって、それで、だ。」
「それ、俺が望んだのか。」
「い、いや…俺が頼んだ…。」
何となく、この宮城には俺たちの関係を悟らせない方が良い気がして、嘘をついた。
多分この宮城は…『先生』のことを想っている宮城だから。
「…それより、宮城は今何歳だ…??」
「…17。」
やはり予想的中だった。
[4回]
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