side:5
変な夢を見た。
俺みたいなやつと、八戒みたいなやつがそこにはいて。
幸せそうに笑って死んでいった----------。
そんな夢。
でも何だかほんと、リアルだったけど、幸せな気持ちになったんだ---------。
「-------じょう。…悟浄。」
弱々しく呼ぶその声で、俺の頭はその夢から少しずつ覚醒していった。
「…はよ、八戒。」
「大丈夫ですか…??だいぶ魘されていたようですが。」
心配そうに俺の顔を覗き込む八戒。
八戒とサルに発生している妖力増強について話したあとから、八戒は余計に対俺で心配性になった。
今日も少し(おそらく)魘されていただけでこんなに心配そうな顔をする。
(…だからちょっと話したくなかったんだよな、あのこと。)
「あー…なんか時々見る夢だ。大丈夫。ちーっと疲れてるだけだろ。昨日飲み過ぎたかねぇ…。」
「もうそんなに若くないんですから、飲みすぎは気を付けてくださいよ、悟浄。」
ふふふ、といつもの笑いを見せた八戒に少し安心した俺は、そのあとはいつもの通り八戒と接することができた。
そんなある日。
別れってのは突然やってくるわけで。
俺たちは、ある一通の手紙がきっかけだった。
『至急向かうところがある。寺院に集合。』
[2回]
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