Side:all
「天蓬に捲簾…二人揃って来訪とは珍しいな…。」
「天ちゃんケン兄ちゃん!!下界のお土産ある~?!」
まるで本物の兄弟の如く、天蓬と呼ばれる男と捲簾と呼ばれる男を見つけるやいなや、飛びつく悟空。
「おぉ~悟空、元気にしてっか~??」
「悟空の好きな食べ物のお土産はないのですが…面白い『者』は連れて来ましたよ。」
そう言って、天蓬は悟浄と八戒を前へと促した。
「うぉっ!!悟空?!!」
「三蔵もいますね……。」
後ろから現れた悟浄と八戒は、知っている者が何人かいたことで少し安心したようだった。
「…三蔵法師、あいつらと知り合いなのか。」
「あぁ、下僕だ。」
「げ、げぼっ、…??!!」
「まぁ悟浄…。僕と悟浄と三蔵は知り合い…というか腐れ縁でして。…天蓬さん、突然で申し訳ありませんが、ちょっと3人で話しても??これからについて話したいのですが。」
「構いませんよ。その間にこちらはあなたがたの情報交換をいたしますので。」
「有難うございます。」
「よーし、それじゃあ悟空。お前は俺とキャッチボールな!!」
「うん!!やったー!!♪」
悟空と捲簾が部屋を出たあと、金蝉・天蓬は隣の部屋へと移動し、三蔵・悟浄・八戒だけとなった。
「天蓬ってやつ、ご丁寧に鍵閉めていきやがった。」
「仕方がないですよ。僕らはまだ信用されてはいない身ですから。」
「…それより互いに今に至るまでの話をするぞ。」
三蔵の言葉により、両者の今に至るまでの話をあらかたした。
自分達が夢の中で呼ばれていた人物があの3人だったこと。
ここは天界であり、500年前であること--------。
「その金蝉という方の親戚に菩薩さんがいる…というわけですね…。」
「そんじゃ、ま、金蝉に頼んで、ここへ飛ばした本人な菩薩ちゃんと会うしかねぇよなぁ~。」
「それと悟空だが、あいつは俺達のことを知らん。接し方に気をつけろ。」
その時ちょうど鍵が開く音がなり、扉が開いた。
「そちらの打ち合わせは済みましたか。」
「あぁ。…金蝉童子。菩薩に会うことは出来るか??」
「ええ、僕らも菩薩様の元へお連れしようと結論が出たところです。」
「…ただし、連れて行くのは三蔵法師、お前だけだ。」
「申し訳ありませんが、確実に信用出来るのはあなただけでしたので。」
「構わない。俺だけで行こう。」
「そんじゃ、ま、俺は捲簾のとこにでも行くか~。」
「僕は天蓬さんのお部屋にある本を拝見したいです。」
こうして三蔵、悟浄、八戒はそれぞれのやり方で天界へ飛ばされたなりの行動をおこすことになった。
to be continued.
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