キラキラなモノに目を奪われて……
「すげぇーなぁー…三蔵みたいな服着ている人でいっぱいだな…。」
悟空は、久々に寺院を離れ、八戒・悟浄と共に商店街を歩いていた。
街には浴衣を着た人々がざわざわと集まっており、賑やかであった。
「浴衣美人…てか♪…そういや今日は『花火大会』…だったっけか??」
「はな…び??うまいのか、それ。」
「悟空は花火…知らないみたいですね…。夜空にキラキラしたものがいっぱい飛ぶんですよ。色んな色があって…とても綺麗なんです。」
キラキラ…と言われ、金髪をもつ三蔵を連想させる悟空。
「三蔵みたいに綺麗なのか?!!」
「おぉーおぉー。三蔵サマ愛されてるなぁ~。ま、クソ坊主みたいかはともかく…そらぁ綺麗だろうよ。」
「まじか~!!!!見てみたいなぁ……。」
ますます見たくてたまらなくなった悟空だが、夕方には三蔵が迎えに来たので、あえなく寺院に帰宅することとなった。
寺院から帰宅し、ほどなくして夕食の時間となったが、悟空の姿がどこにも見えなかった。
「三蔵様…悟空の姿が見えないのですが…。」
「…わかった。探しに行くから先に食ってろ。」
「はっ。」
三蔵も三蔵で、今日は一日執務三昧で疲れていた。にもかかわらず悟空の失踪。流石にイライラが頂点に近づいていた。
「おい馬鹿猿!!!!!夕飯だ!!!!どこに居やがる!!!!!」
近くに気配を感じるのに居場所を突き止められない三蔵は、ふと帰路で悟空が話していたことを思い出した。
「さんぞー!!!!俺、花火見てみたいんだけど!!!」
「知るか。第一、花火は高いところか近くに行かないと見れねぇし、人込みはご免だ。」
「うぅっ…三蔵のケチ……。」
(-------高い所……)
ふと屋根裏の倉庫から屋根へと登りやすいルートを思い出した三蔵は、そこへ向かい、屋根へと登ってみた。するとそこには体育座りをした悟空がちょこんと座っていた。
やっと見つけられたので、さっさと連れて帰ろうとしたそのとき。
[ドーーーーーン!!!!]
「わぁ~……!!!!すげぇ…!!!!!」
色とりどりの花火が打ちあがった。
「ここなら…花火は見やすいな。」
連れて帰るのを変更し、悟空の隣に腰を下ろす三蔵。
「へへへ///三蔵が、高いところなら見やすいって言ってたから…。んでも、八戒が言ってたように、ほんとキラキラしてんだなー花火って!!」
悟空の金目に色とりどりの色が映し出され、その目が綺麗だと思った三蔵は、見とれてしまっていた。
「でもさぁ~。」
ふと花火を見ていた悟空と目が合う三蔵。先ほどまで悟空の目を見ていた三蔵は、驚いて顔を少し引いた。
「俺は三蔵のキラキラのが大好きだっ///」
「ふん…。俺はお前の金目は嫌いじゃねぇよ。」
キラキラなモノに目を奪われて
吸い込まれて
ヒトツになって………
[1回]
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