Side:三蔵
捲簾、天蓬側の決着が着いた頃、金蝉と悟空は李塔天と部下に捕らえられていた。
「天蓬元帥、捲簾大将は死亡した模様です!!!!」
(夢と…同じだな。)
三蔵は、夢と同じ言葉を聞いていた。
すると、「ナタク」が天井から落ち、ゲート周辺が破壊された。
辺り一面、瓦礫だらけとなり、生きている人間は殆どいない状態となった。
少しして金蝉が目覚め、李塔天と対峙し、ゲートを開けた。
「ここ…だ。」
三蔵は最後に見た夢の出だしと同じ風景を見た。
悟空の手をひき、ゲートへ走る金蝉。
あと少しで下界へ--------。
そのとき
[ガシャャャン]
ゲートが閉まったかと思ったが、少しだけ開いていた。
三蔵がゲートへ近づくと、金蝉が挟まっているのを見つけた。
悟空はどうやら下界側へ行けたようだった。
「…行け、悟空。」
「嫌だよ!!!!」
「行けっ!!」
「イヤだぁぁぁ!!!!!」
悲痛な悟空の叫びを聞いた三蔵は、胸が苦しくなった。
(…悟空……。)
「……最初に手を…差しのべたのは、お前の方だったな。」
静かに、しかし、力強く悟空に語りかけ始めた金蝉。
その言葉をじっと聞いている悟空と三蔵。
「次は必ず…俺が…俺がお前に手を差し出すから…。きっと差し出すから…!!」
そしてふっと微笑み、
『あぁ…やっぱり……太陽みてぇだ』
その言葉と同時に、三蔵もまた、元の世界へと飛ばされていった。
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