Side:all
「------ぞう!!-------ょう!!----------っかい!!!!」
誰かが3人を呼んでいた。
「「「ご、くう…??」」」
呼ばれていた3人が同時に目を覚ますと、そこには泣き腫らした悟空が目の前にいた。
そしてその隣には観世音菩薩がいた。
「よぉ…。お目覚め、だな、野郎共。夢の真相とやらはわかったか??」
涼しい顔をして尋ねる菩薩に対し、三蔵たちはかなり疲れた様子だった。
「サル、俺達は菩薩と話がある。もう少しそこで待ってろ。」
「……うぅ…。」
「なんだ~??いつもの威勢はどうした~悟空。」
「大丈夫ですよ、悟空。もういなくなったりしません、『絶対』に。」
(あれ…悟浄俺のこと…名前で……。)
そう言い残し、3人は菩薩の方へと向かった。
「お前に聞きたいことがある。」
「なんだ~??まぁーだ夢のことわかってないのか??」
「いや。…あのあと、『俺達』はどうなったんだ。」
「ほう…『記憶』が定着したんだな…金蝉、捲簾、天蓬。……『お前達』は、死んだ。…だが、誰ひとり死体として残らなかった。悟空は…『今の』お前達が知っている通り、500年幽閉されたわけだ。」
「悟空のやつが代わりに500年もあんな寂しいところにいたのか…。」
「とても…辛かったでしょうね…。本来罰を受けるべきは僕らであり、悟空はただ僕らに付いて来ただけだったのに…。」
3人共、ようやく500年前の全てを知り終え、下を向いて何かを考え始めた。
「悟空の『記憶』…なんだがな。…実はあるところに封印してあるんだ。…まぁ、普通のやつじゃあわからんところに、な。…さて、と。これからお前達がどう生きていくのか、ずっと見てやるよ。…お前達の生き様…見せ付けてみろよ。じゃーなっ。」
数日後。
三蔵ら4人は悟空が封印されていた場所にいた。
「何で急にここに来たんだよ~三蔵~。」
悟空を余所に、黙々と3人が先を歩いていたので、悟空はヘトヘトだった。
「悟空…。お前と果たしてない約束があんだよ。『俺達』には。」
「てか悟浄…さっきからずっと俺のこと名前で呼んでくれるのは嬉しいんだけど、何かあったのか??」
「遅くなってしまいましたが…約束、叶えましょう、悟空。」
「だから八戒ぃ~何だ、約束って!!」
「『次に逢うときは下界の桜の木の下だ…』…。待たせたな、悟空。」
その言葉と同時に、頂上にある桜が一斉に舞った。
まるで4人をずっと待っていたように。
そのとき、悟空の頭の中に一気に500年前の記憶が戻り、三蔵たちが金蝉たちに見えた。
「ケン兄ちゃん…天ちゃん……金…蝉……!!!!うぉぉぉぉ……!!!!!」
泣きながら3人に飛び付く悟空。
「「「お待たせ…悟空。」」」
こうして、悟空は500年果たせなかった約束を「彼ら」と果たすことが出来たのだった。
THE END
[14回]
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COMMENT
拍手コメントありがとうございます
拍手コメント有難うございました!!
ケン兄と天ちゃんのコンビはほんとカッコイイし泣けますよね…(;_;)
悟浄と八戒にはないカッコよさがあって、外伝では上のコンビ大好きですv
さいゆーきは今、現代パロを書いていますが、原作寄りも書きますのでよろしかったらまたいらしてください♪
拍手コメントありがとうございました!
さいゆーき大好きとのこと。私もRELOADのアニメ(生)時代からずっと大好きなのでとっても嬉しいです。
いつか悟空が金蝉たちとちゃんと再会できたらな…という思いを込めて書いた作品なので、受け入れてただけてとても嬉しいです。
またぜひみにきてください♪