Side:H
「ブ、ブレさん、へ、変じゃないか…??」
ハボックは、あれから何通かローズと文通し、とうとう見合い…というか、デートすることになった。
なぜだかローズの字は、ロイの字に似ていた。特徴ある、斜めの筆記体の字体。よく見慣れているその字と似ていたことにハボックは心底驚き、ロイにそのことを伝えたところ、少し照れながらも「女性の字に似ていると言われてもちっとも嬉しくない」ときっぱりハボックを怒った。
そして。デート当日となった。
ハボックは待ち合わせとなっている駅の近くの喫茶店で、ブレダと色々な確認をしていた。
「大丈夫だ。いつものお前でいけよ。何も着飾っちゃいけねぇぞ。ありのままでいけ。」
「お、おう!!行ってくる!!」
そう言って、ハボックは喫茶店を出ていった。
程なくして、先程までハボックが座っていた席に、眼鏡をかけた青年が腰をおろした。
「すまねぇな、ブレダ少尉。ロイのやつの手助けを手伝ってもって。」
「いえいえ、こっちも感謝してますよ、ヒューズ中佐。酒の席一回分で手を打たせてもらえましたから、十分です。」
「あとは…あいつら次第だな。」
そう言って、ヒューズとブレダはハメた二人が待ち合わせしているであろうところへと目を向けた。
SideHR
「すいません、お待たせしました…えぇ~っと…。」
「ローズ、で良いですよ、ハボックさん。」
「へへっ…//はい、ローズさん。初めまして。今日は宜しくお願いしますっ。」
ハボックの恰好は、胸元にはシルバーアクセサリ、少し開けた黒いシャツにグレーのパンツという、シンプルなスタイル。
わ、私はオフホワイトのワンピースに淡いグリーンのカーディガンという…女にしてはシンプル過ぎる恰好。
「服、似合っていますよ、ローズさん。流石はワの国の人っすね~!!清楚な恰好がよく似合うっす。」
そう言って、ハボックはいつもの笑みとは違い、ちょっとカッコイイ笑い方をした。
ハボックはよく女性に振られているのだが、この短いやりとりだけでも誠実で優しい印象をもてるあたり、振られる原因は第一印象ではないことがわかった。
(い、いかんいかん。今日はハボックのことをよく理解する日だ!!ハボックの振られる原因を探る日ではないっ。)
私は自分を叱咤し、ハボックに向き合った。
「今日はどうしましょうか??」
to be continued..
[1回]
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