「はぁぁぁ?!!!つ、使い魔?!!てか俺人間だし!!!!」
「いや、お前は普通の人間ではない。…お前は大妖怪「斉天大聖」の末裔。…その証拠がお前の金目だ。」
そう言って、三蔵は悟空のあごを持ち上げ、目をじっと見つめた。
「俺はこの目をもつ者を探していたんだ。俺のパートナーになれるのは、お前だけなんだよ、悟空。」
悟空はキスをされて気持ち悪くもなかった。
ただ、自分が初めて真に必要とされている………。それだけがとても嬉しかったのだった。
そう思うと、使い魔だとか、妖怪の末裔だとか、そんなことはどうでもよくなっていた。
ただただ、三蔵の悟空を必要としている心を変えたくはなかったのだった。
「三蔵…さん。」
「三蔵でいい。」
「あ、はい…三、蔵。」
「なんだ。」
「…俺、信じてもいいの??俺、三蔵に本当に必要とされている??用事が終わったら…また…。」
そう言いかけて、悟空はとても寂しい気持ちになった。
今は必要とされていても、それは一生ではない。
いつかは手放されて、またひとりぼっちになってしまうのだ…と。
気がついたら、悟空の目からは大粒の涙がこぼれていた。
「俺…俺……なんで泣いてるんだろ……。必要とされて嬉しいのに……。ご、ごめんなさい……な、泣き止むから……いらないって言わないで……。」
その様子をとても辛そうな目で三蔵は見ていた。
少しして悟空の涙している様子を見かねた三蔵は、悟空をぎゅっと抱きしめた。
「…見つけるのが遅くなって済まない、悟空。…俺が見つけるまでお前は苦労をしたのだろうな…。大丈夫だ。俺は「今度こそ」お前の太陽であり続けたいんだ。だからお前を絶対手放したりはしない。」
「さん、ぞう……」
「お前の太陽でいさせてくれ、悟空。お前を絶対手放したりしない。「絶対」だ。」
「絶対」などというありきたりな言葉をそう易々と信じてはいけないことを悟空はわかっていたが、なぜだか三蔵の言葉には何ひとつ曇りがなく、信じられる気がした。
そして、悟空はこくんとひとつ頷いたのだった。
やっと悟空が落ち着きはじめ、三蔵に聞きたいことを聞き始めた。
「俺が使い魔ってどういうこと??」
「さっきも言ったように、お前は大妖怪の末裔だ。しかしお前は俺と契約を結ぶまで、本来の力を封印されたままだった。それを解くためには、俺と契約しなければならなかった。」
「三蔵も何かの末裔なの??」
「あぁ…。俺は「玄奘三蔵」の末裔。」
「えぇぇぇぇ?!!あの西遊記の「玄奘三蔵」??」
悟空は目をこれでもかという程に見開いて驚いた。
しかし三蔵はその反応を無視して、話を続けた。
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