それはまだ、ハボックがロイと出会い、店の店員として雇われてすぐのお話……。
雪がちらつき始めた、ある冬の話………。
ハボックとロイが初めて出会って以来、ロイは時々ハボックを店のウエイターとして働かしていた。
「ロイさん~あのウエイターさん、ホストじゃないの~??」
「えぇ…時々手伝ってもらっているだけなんですよ。」
「残念ね…とっても可愛いしカッコイイから売れるだろうに…。」
ハボックはたちまちお客の店の隠れ目当てとなっていた。
ただ、当人は……かなり嫌がっていた。
(この間の一件でこことおさらばかと思いきや…あの髭眼鏡っ…!!依頼依頼って…この店の手伝いをさせようとしやがる…!!俺は接客業なホストクラブなんざ向いてねぇんだよ。…所詮、人を殺すしか出来ないキリングマシーンさ…。)
そして今日も髭眼鏡-------情報屋ヒューズ経由の依頼で、ハボックはロイの店を手伝いをしていた。
今日は経営管理をしているリザの指示で、ハボックは店締めの手伝いもすることになった。
「ハボ~。そこのグラス拭いといてくれ。」
「うぃーす、ブレさん。」
ハボックの指導は基本、ブレダという、ハボックと同年齢のホストがしていた。
ブレダは気さくにハボックに話しかけていたので、店の中では、ハボックが一番気を許している相手であった。
「終わったっす、ブレさん。」
「おっ、ありがとさん。」
そこに店長であるロイが来た。
「ブレダ、お疲れ様。会議をするからそろそろ来てくれ。----ハボックさんはここの鍵を閉めてくれたらもう帰って良いですよ。…いつもヒューズがすまないね。」
ふっと微笑んだら、すぐにホールからロイは去っていった。
「いえ…お疲れ様です、店長。」
一言ハボックに述べたロイの後にブレダが続こうと歩きはじめたとき、ハボックがそれを止めた。
「ブレさん。その…会議ってやつが終わったら飲みに行きません??」
ハボックは、初めて店に来たときから気になっている、店の一番奥の部屋で行われている「会議」が気になっていた。何より、ハボックが、店長…ロイに興味を持っていたから、知らないことを作りたくなかった。
だからこそ、気を互いに気を許している相手…ブレダから聞き出すために飲みに誘ってみた。
よそ者であるハボックが関わってはいけないかもしれないが、キリングマシンなハボックができる精一杯の情報聞きだしのきっかけであった。
「おっ、いいな。んじゃあ向かいのラーメン屋に居てくれ。」
ブレダはハボックの目論みをつゆしらず、軽く了承してロイが向かった方へと去っていった。
to be continued...
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