ブレダからの依頼の数日後、ハボックは情報屋ヒューズから「赤い蛇」の情報を仕入れ、すぐに「赤い蛇」に潜入した。
「冷犬」が「赤い蛇」のボスの護衛をかって出たのだ、当然のように潜入は成功した。
程なくして、売人としてロイも「赤い蛇」へ潜入していた。
「最近入った新人、結構顔立ちも良いから、体使って売りやすいんじゃないか…??」
「ボスもそう思っているらしくてな…さっそくそっち系の客をあてたらしいぜ…。」
この噂話をハボックは隠れて聞いていた。
(ロイが…危ない……!!)
ハボックは直ぐさまロイの居場所を突き止めるため、小型無線でブレダに連絡した。
「ブレさん!!店長が危ない!!店長今何処にいんの??」
「まじかよ…!!……んん??これ…部屋なのか…??ボスの部屋「あたり」に店長はいる!!」
「さんきゅ。それで十分。」
さっと無線を切ったハボックは、瞳をダークブルーに変え、「冷犬」と化した。
(店長は…ロイは俺が護る。)
ところ変わり、ここはボスの隠し部屋。
ここに今にも同性に犯されそうなロイがいた。
「や、やめっ…!!」
「安いものだろ、一発抜いてやるだけで云百万もヤクを買ってくれるんだ…。ほら、足開け。」
「くっ……!!」
ロイは手錠で身動きがとりにくくなっていたが、必死に抵抗していた。
(昔みたいにヒューズが助けにきてくれるわけじゃないんだ…!!何とか自力で生きて…生きて逃げて……今度こそハボックに…私の想いを……!!)
そのとき、隠し扉が爆破され、明かりが射してきた。
「なっ…敵か…?!」
「お前が薬密輸及び転売の実行指示最高責任者だな…。」
「…!!なっ…サツか??」
「いんや…死神だよ…!!『冷犬』の牙の餌食になりな!!」
そう言って瓦礫からあらわれたのは、鋭い目つきなハボックだった。
「は、ハボ!!」
「…ついでにお前は俺の大事な人に手を出したからな…地獄よりも深い苦しみを味わせてやるよ…。」
そうしてハボックは、心臓は外していたが、急所近くばかりを撃ち抜いていた。
「ハボ…やめろ…やめてくれ……!!」
ハボックの殺し方は見ていられない程残酷なものであった。
ロイは、いつも自分に優しく、微笑んでくれていたハボックがどこにもいないことを痛感し、胸が苦しくなった。
(こんなのは…私の好きなハボックじゃない…!!!!)
「ジャン!!!!!もういい!!!!やめろ!!!!」
ロイは咄嗟にハボックに向かって叫び、するっと手袋をはめると、ハボックの銃目掛けて指を鳴らした。
すると、ハボックの銃は燃えたのだ。
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