「私の家は、代々『錬金術師』の家系でな。私の家系は『焔』の家系だったんだ。それで、私はこの手袋をはめれば、「赤」の炎と「青」の焔を使うことができる。」
「へぇ…ほんとに錬金術師の家系があったとはね…。噂には聞いたことあったけど、本物は初めてだな…。んで、2種類の焔があるみたいだけど、どう違うの??」
「「赤」は攻撃の炎。さっきジャンの銃を焼いた炎がそれだ。「青」は癒やしの焔。だけどこれは簡単には使えなくてな…。その…癒やしの対象とキスして、認識しないといけない。そして、癒やす対価として、自分のエネルギーを差し出さなくてはならない。」
「なるほど……って!!!!俺もうロイとキスしたのー??!!」
「驚くところはそこか!!!!」
「あ、いや、それだけじゃなくてですね…というか俺なんかを助けるために、ロイの体力を犠牲にさせちゃったんすね……。すいません…。」
ハボックは、自分でロイを護るつもりだったのに、護られてしまった事実に落ち込んだ。
その様子を見たロイは、あわてて弁解をし始めた。
「あ、その……私はジャンを死なせたくなかったんだ…。私が青い焔を使ったのは、これで2回目だ。自分が守りたいものを護れなくて……後悔はしたくないから。だからジャン、そんなに落ち込まないでほしい。ジャンも私をしっかり護ってくれていたよ。結構前から『赤い蛇』に潜伏してくれていたらしいじゃないか。」
「うん…まぁ……。ロイがそういうなら……。でもあんまりその力使わないようにしてくださいよ。あんたが無理する姿はみたくない……!!」
「わかったよ、ジャン。どうしてもってとき以外は絶対に使わない。約束するよ。(ちゅ)」
ロイは、約束の軽めのキスをハボックに施した。
対するハボックは、それに応えるように深いキスをお見舞いした。
「んふっ……。ジャン……。だ、いす、きっ…///」
「俺も。ロイが好き。愛してる。ロイの全部、俺にちょうだい。」
「等価交換だな……。」
「あったりまえ。俺のも全部、ロイにあげるよ。」
「うん、わかった。成立…だ、なっ。」
こうして、冷犬は、ある人間の温かい心の焔で、少しだけ人間に近づき、幸せを手に入れたのだった。
the Mustang past 2 the end.
[1回]
PR
COMMENT