「ターゲットは東側に逃げ込んだ模様です、大佐。」
「よし、…順調だな。聞こえたか、ハボック。あとは頼んだぞ。」
「アイサー。」
俺はジャン・ハボック。階級は少尉。
イーストシティーで有名な司令官ロイ・マスタング大佐の部下。
んで今絶賛その上官に片想い中。叶えられそうにもない恋だけどな。
…司令官モードの大佐の声はめっちゃカッコイイ。俺のカッコイイ飼い主サマ。
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「さぁて…おい動くなよ~。あんま抵抗しなさんな。怪我したくねぇならな。」
飼い主サマのご命令とあらば、誰にだって噛み付く犬(おれ)。
「ハボック、ご苦労。」
「うっす。」
「ハボ、そいつ取調室にぶっこんどけ。あとは俺がやる。」
「よろしく~ブレタ。」
ブレタに今回捕まえたやつを預け、俺は戦闘で負傷したところを治療しに医務室へ向かった。
…この時俺は、大佐が俺のことをじっと見つめていたことを知ることはなかった。
「…休憩中…かよ。…やば、血、かなり出てきたな……。」
傷は深くはなかったが、出血は多く、軍服が紅に染まり始めていた。
「ハボック。」
そんなときに、司令部にいるはずの大佐が話し掛けてきた。
「(……??)大佐??何か問題発生ですか??」
あんまり心配かけたくなくて、俺はとっさに怪我をしている部分を手で隠した。
「…怪我…隠さなくていい。」
「えっ??」
「……//だから!!お前は怪我をしているんだろう?!」
何故か顔を真っ赤にして逆ギレしながら怪我について言ってくる大佐。
それが可愛かったりするんだけど。
「あぁ…大したことな…「わ、私が治療してやるから医務室に入れ!!//」…へっ??大佐が??」
なんと大佐が自ら手当を名乗り出たのだ。
しかも医務室で二人きりで……!!
ヤバい。そんな状況下になったら俺大佐に告っちまうよ!!
「いや…そんな…自分でやりますよ。」
なけなしの理性で何とか断りをいれる俺。
「……たく、つべこべ言わずに来い!!」
そう言って大佐は俺を引きずり、医務室へ連行した。
「傷口を見せてみろ。」
「だからほんとに大丈夫ですって…。」
「いいから出せ!!…命令だ。」
「…Yes, sir.」
命令とあらば従うのが犬(おれ)だもんな。
「…大佐としてなら言うことを聞くんだな…お前は。」
ぽそっと大佐は呟いた。
「上官の命令を聞くのは当たり前でしょ??ましてやあんたの命令ならなおさら。」
…それにあんたのことが好きだから。
「私の…命令だから…か??"私の"命令…。」
そう呟きながらも、懸命に傷口を消毒してくれる大佐。
すると大佐は傷口に顔を近づけ……
………舐めた。
「たたたたたたた大佐??!!」
驚いた俺は咄嗟に体を大佐から離した。
その行動を目の当たりにした大佐は悲しい顔をしながらも言った。
「……。命令だ…。…私のすることに反抗するな…拒否…するな、ハボック。」
メイレイ……。
「…あんたに命令されなくても、俺はあんたの望むすべてを叶えますよ。…あんたの犬(こま)であり、……あんたが好きであんたを…大佐のあなたではなく、ロイ・マスタング自身を愛してるから。///」
…言っちまった。
言うことはないだろうと思っていたことを。
…だってあんな悲しい顔して俺に「命令」している大佐なんて見たくなかったから。つい言っちゃったんだ。
後悔はしてない。このあとどうなろうとも、俺は大佐の犬で在り続けることが出来ればそれで良い。
「…それは本当か??」
「えっ。」
「今言ったことに偽りはないな、ジャン。」
「(な、名前呼ばれた!!!!)は、はい、大佐。」
「ロイと呼べ。」
「うっ…はい。ろ、ロイ///」
何故かめちゃめちゃ押されている俺。でも満面の笑みを見せてくれた大佐は、俺をベッドに追いやり、押し倒した。
「傷口治療の等価交換で、私のココの治療を頼むよ、ジャン。」
といって下半身を指差す大佐。
視点を落としていくと、大佐のアソコは何故かちょーヤバい状態になっていた。
それで俺の顔は熱くなりつつも(多分赤面しているだろう)、即座に反撃の言葉を返そうとしたら、大佐…ロイの唇で塞がれた。
いきなりの甘い口づけに、俺は驚きと嬉しさでいっぱいになり、頭がボンヤリした。
「Good boy……私だけの良い犬(こま)…私だけの大切な犬(コイビト)。…ジャン。よく覚えておけ。」
「Yes, sir….」
そうして俺はロイに傷を治療してもらい、等価交換で俺はロイに抱かれましたとさ。
[1回]
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