会食は思ったより長引いてしまい、帰路についたのは10時過ぎ。
忍は起きているのだろうか…と心配になり、走って忍が待つ家へ帰る。
エレベーターに乗り、自宅の階で降りて、自宅の方へ歩き出すと、自宅のあたりの扉が開いた。
「……?!!し、忍っ?!」
出てきたのは、大荷物を抱えた忍だった。
「み、宮城っ!!」
忍は気まずそうに目を右往左往させ、言葉を必死に探しているようだった。
その様子を見た俺は何かがぷちんと切れた。
「忍!!部屋に戻れ!!」
俺は忍の腕をきつく握り、自宅に押し込んだ。
扉が閉まるなり、忍の呼吸を奪うように舌をねじ込みながらキスをした。
忍は顔を真っ赤にしつつも、一生懸命に舌を絡ませ、俺の動きに合わせてくれている。
…この様子からして、まだ嫌われてはいないな……。
ならどうして家出みたいな荷物を持って外に出た……?!
俺はキスをしながら忍に無言で疑問を投げつけていた。
少しして、忍が俺の胸をどんどん、と叩いてきたので、唇を開放してやった。
「ぷはっ……!!み、みやぎ……腕…痛い……。」
「…悪い。」
あまり罪悪感を感じないまま、忍の腕も開放してやった。
「お前…こんな遅くにどこへ行こうとした。」
「じ、実家に…帰ろうと思っただけ……。」
「今日朝俺が出ていくときは何も言っていなかったよな…??…ほかに好きな奴でも出来たか。…そうか。だから俺のことをあんなに避けていたんだな。…言ったよな、お前は若いから、俺より好きな奴が出来るだろうし、好きな奴が出来たら俺は身を引く覚悟はできている…「そんなんじゃねぇ!!!!!!」……!!」
俺が今まで思っていたことを捲し上げるように言っていると、忍は眉間に大きなしわを救り、目からは大粒の涙を流しながらおれに反抗してきた。
「な、なんで…何度言ったらわかるんだ……宮城は…!!」
そこからテロリストの反撃がスタートした。
「俺と宮城は運命なんだよ!!宮城のこと、嫌いになるわけがないし、宮城以上に好きになる人なんかいやしねぇよ!!そんなことを俺がやったら…俺が自分を許せない!!俺は宮城が大好きだって言ってんだよ!!だから…だから……そんなに苦しい顔するなよ…宮城…もっと俺の「好き」って言葉…信じてくれよ……。」
「すまん…忍…。大丈夫、お前の「好き」は信じているよ。」
忍のいっぱいいっぱいの告白を聞いた俺は、さっきまでの怒りがすっと消え、優しく忍を抱きしめた。
「じゃあ忍、最近俺を避けていた理由は??」
「うっ……そ、それは……。」
忍は気まずそうに顔を背けた。
ここからは俺のペース。そう簡単には口を割らない忍でも、口を割る様に、少し低い声でもう一度聞いてみる。
「忍…どうして……??俺、寂しかったんだぞ……??」
「…!!ご、ごめんなさい……。そ、その……一緒に住んでいるんだから、今までできなかったようなこと…やらないのかなって…思ったんだけど…俺だけしかそういうの、思ってなかったのかなって…思って……。それで宮城から離れていました……ごめんなさい…。」
小声ながらも、きちんと理由を言ってくれた忍だが、その理由が爆弾過ぎた。
…要するに、新婚よろしくなことを忍は俺がやってくると想像していたらしい。
…それは俺もやりたかった。やりたかったんだが……。
「忍ちん。」
「なんだ??」
「35のおっさんが、新婚よろしくなことをやろうとしても、きもいだけだとおじさんは思ったんデスヨ…。」
「はぁ??…歳なんて関係ねぇだろ!!同棲してるんだから、そ、それくらいは…やってやるよ//」
あらま。顔を真っ赤にしながらすんごい許可もらっちゃたんだけど、オジサン。
「そう…。そんじゃ遠慮なく。…忍、『お帰りなさいのキス』して??」
「~~//お、お帰り、なさい、宮城っ(ちゅっ)」
「ふふ…ただいま、忍。さぁーて、風呂よりもまず忍をいただこうかね♪」
「なっ…!!こんんのエロオヤジー!!」
俺のコイビトは、今日も可愛い一面を見せくれた。
次はどんな愛のバクダンで、俺を驚かしてくれるのかな??……忍。
[5回]
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COMMENT
拍手コメントありがとうございます
拍手コメント有難うございました!!
テロリストが好きな方…なのでしょうか??前サイトではテロリストもメインで扱っていたので、よろしかったら跡地の方にもどうぞお越しくださいませ。