俺は仕事関係もあり、あまり外に出ない。
出たとしても、画材を買いに行ったり好きな漫画を買いに行くくらい。
…と、時々トリとのデート…もあるけど。
でもごくたまに、外に出たいと思って出るときがある。
今日は偶然にもそんな日だった。
早めに作品を仕上げたから、時間が出来た俺は、夕方頃に近くの河原へと足を運んだ。
「んん~たまには外の空気も吸わなきゃな~。」
気分が爽やかになってきた俺は、河原の近くで寝そべってみた。
ふと辺りを見渡して思い出した。
「…そういやここ、トリと花火大会のあとに来たとこだ…。」
あの時から俺とトリとの間に、またひとつ-----「恋人」っていう繋がりが増えたんだっけ。
…そんなことを考えたら、顔がめっちゃ熱くなってきた!!
「吉野…??」
そしたら俺の脳内を支配していたやつが現れた。
「うぉぉぉ!!!ト、トリ!!」
いきなりのトリ登場に、俺はめちゃくちゃ慌てた。
なんかさ、突然トリに会うと心臓に悪いんだよな…。だ、だって、トリめっちゃカッコイイから…。
「吉野、お前そんな薄着でこんな所に寝そべっていたら風邪をひくぞ…。」
そう言ってトリが差し出してきたのは、トリが今まで着ていた上着だった。
トリの体温を、上着を通して感じる。
久々なトリの温かさだったから、思わず渡された上着をギュっと抱きしめていた。
少しして我に帰った俺は目茶苦茶恥ずかしくなって、顔を見られないよう(多分真っ赤になっているから)慌ててトリの上着を頭から被った。
そしたらトリは、
「…千秋、それは反則だ…。」って言って俺を上着ごと抱きしめてきた。
「し、しょうがねぇだろ…ひ、久々なトリの匂いとかあったかさ…だったから。」
俺、声裏返るし、目茶苦茶恥ずかしいー!!!!
そう強く感じてますます小さくなる俺。
「とりあえずお前の家に帰ろう。……夕飯作ってやりたいところだが、先にお前だな。」
「先にトリのメシ…ってか??……ドウゾゴジユウニ///」
まぁ…たまにこうして外に出るのも、悪くないよな…!!
[7回]
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